新しいレクチャーシリーズが始まります。題して「インサイド・オックスフォード」レクチャーシリーズ。オックスフォード大学の、ある一面を取り上げ、そのユニークな特徴と独自性を浮き彫りにします。900年の歴史を持つオックスフォード大学。その成り立ちや仕組みは大変複雑でわかりにくいものです。この新しいシリーズでは、オックスフォード大学の特徴を示すひとつの話題に注目し、スポットライトを当てていきます。
シリーズ第1弾のトピックはプロクター。日本語では学生監と訳されることもあるようです。英国で最も歴史のある大学、オックスフォード大学とケンブリッジ大学のみに存在するプロクター。その歴史と役割を解明します。
プロクターという職は、古く中世から存在し、その歴史はなんと総長職よりも古いのです。 その昔、プロクターの権限は非常に広範囲に及んでいました。学内だけではなく、街全体を管轄しており、例えば犯罪者を逮捕する権利を持っていたり、独自の警察部隊や監獄まで保有していました。
プロクターの役割は時代とともに大きく変化しましたが、今でもプロクターはオックスフォード大学の学生生活に密接にかかわっています。例えば学生の懲戒処分を行う、苦情に対応する、大学のガバナンスを効かせるなど、非常に重要な役割を担っています。また、オックスフォード大学で特別な意味を持つ様々な行事でも、プロクターは大きな役割を果たしています。プロクターの選出方法はカレッジによる投票で、毎年2人の学者がプロクターとして選ばれます。プロクターが学者から選出されるということは、学者たちの声を尊重するというオックスフォード大学独特のこだわりの表れであり、大学の自己統治の精神そのものなのです。
今回のレクチャーでは、2013年から2014年までオックスフォード大学でプロクターを務めたレベッカ・サレンダー教授が、プロクターの役割について、個人としての経験談を交えた興味深い話をしてくれます。プロクターの歴史と伝統、組織の中での役割をはじめ、現代社会が直面する深刻な問題も取り上げます。例えば、変化しつつある学生の大学への要望、技術発展にともなう新たなプレイジャリズム(剽窃)の問題、多様で有望な学生の獲得、グローバル市場での大学の競争力など、世界のどの大学や研究機関でも直面している切実な問題について論じます。オックスフォード大学にご興味のある方はもちろん、大学という組織について、また現代社会が直面している教育問題について関心のある方は、是非ご参加ください。
レベッカ・サレンダー教授は、オックスフォード大学社会政策介入学部の准教授およびグリーン・テンプルトン・カレッジのフェローを務めています。
2014年7月15日火曜日
19:00 – 20:00 レクチャー
開催場所:三番町UFビル1F
東京都千代田区三番町6-3
レクチャーは無料です。
英語で行われ、通訳は入りませんのでご了承ください。
20:15 – 21:45 懇親会
懇親会開催場所:Tanakayaタナカヤ
東京都千代田区三番町6-4 ラ・メール三番町1F
参加費用1人3000円。
参加登録された方にはお支払い方法を別途お知らせします。